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僕がラーメンを好きなワケ by外山雄大

僕はラーメンが好きだ。あのお店のラーメンが食べたいのではない、あの人が作ったラーメンが食べたいのだ。 02豚の群

「居眠りをしてスープを焦がしました。」

僕が意識してラーメンを食べるようになったのは
facebook「鹿児島らー麺部」部長の前原氏との
出会いがあったからだと思う。
彼が物心ついた時の大好物は、
九州人ならだれもが大好き「うまかっちゃん」だったそうだ。
そんな彼が熊本の大学時代に軽い気持ちではじめたラーメンの食べ歩きが、
帰鹿し社会人になっても続き、いつしかライフワークになっていく。
いつしか「ラーメンを職業に出来ないのか?」と思い立ち、
いくつかのブログを始めるが文才の無さに気付き断念。
そんなとき世の中にfacebookといういわゆるSNSが普及し始めた。
自分が美味しいと思うラーメン屋をもっともっと世の中に広めたい!
そんな想いから「鹿児島らー麺部」というコミュニティを開設。
SNS上で様々なラーメン情報が交換されるなか、
いつしか自分が目指す理想のラーメンを作りたい、
食べてもらいたいとの想いが芽生えはじめたのだと言う。

豚の群

そして天文館の居酒屋を借り切って鹿児島らー麺部の部長として
自ら作った理想のラーメンを振る舞うイベントを企画する。
それから彼はイベントに向けてサラリーマンの仕事が終わってから毎晩、
理想のラーメン作りに没頭した。
「寸胴を買いました!」
「豚骨をこんなに仕入れました!」
「チャーシュー用の豚肉です!」
「スープの仕込みが始まりました!」
毎日更新されるSNSの日記を読見ながら
僕をはじめ部員はワクワクが止まらなかった。
イベントの前日、朝早く目が覚めた僕は早速、
イベントのページを見ると土下座する彼の写真とともに
「居眠りをしてスープを焦がしました。イベントは中止します。」

豚の群

チャーシューと煮卵は無事だったので、
マルちゃん製麺に具材を乗せイベントを乗り切るが、その悔しさから、
いつか自分で作った最高のラーメンを振る舞い
「美味しい!」と言ってもらうという強い目標が出来る。

夢は「群」の拡大

それからの彼はサラリーマンなのに、全力でラーメンに向き合うことになる。
東京ラーメンショー2013に一般の部創作ラーメンコンテストに出展し
二次予選まで通過。
彼がはじめて完成させたラーメンだった。
GWに一泊二日で熊本福岡ラーメン食べ歩きツアーを敢行、
二日間で18杯を食べる。 しかもひとりで。
日に日に理想のラーメンを作りたいとの想いは募り、
「自分の店を持つ」ために、ついに退職を決意した。
それから理想のラーメンの味を模索する彼の挑戦がはじまる。
だが、なかなか理想のラーメンにたどり着けない。
焦った彼は心配するみんなの前から姿を消す。
再び姿を現したのは二カ月後だった。
たどり着いた味は「鹿児島で一番濃厚なとんこつ」のスープ。
そしてその二カ月後の2月10日に「豚の群れ」はオープンする。

豚の群

だが思ったより売り上げは伸びず。
このままではヤバい、夏には新メニューを開発せねば、
と思っていた矢先に転んで腕を骨折する。
片手では通常業務をこなすのが精一杯。
でも新メニューは必須、重い寸胴は持てない。
そこでたどり着いたのが広島で定着しつつある「汁なし坦々麺」。
挽肉に黒豚を使用したり味付けに鹿児島しょうゆを使うなど
随所を鹿児島風にアレンジ。
鹿児島では先駆けとなった「汁なし坦々麺」は
マスコミにも徐々に取り上げられスマッシュヒット!
現在での豚ラーメンとの割合は95対5。

豚の群

いつかは、鷄ガラスープの「鷄の群れ」、牛骨スープの「牛の群れ」、
魚介系スープの「魚の群れ」といった素材ごとの店舗が出来れば
と話す彼のラーメンの夢は始まったばかりだ。

豚の群

豚の群

豚の群
汁なし担々麺
650円

広島のB級グルメを鹿児島風にアレンジしたのが「豚の群れ」の「汁なし担々麺」だ。
挽肉には贅沢に黒豚を使い、甘い鹿児島しょうゆを使用したタレに花山椒の爽やかな風味と辛さを麺に絡め、混ぜて混ぜて一気にかき込む。
箸と汗が止まらない。
残った具材と汁に追い飯と温泉卵を投入すると、皿の隅々まで楽しめる。

豚の群プレゼント 豚の群プレゼント

外山 雄大

外山 雄大 Yudai Toyama

薩摩剣士隼人 制作総監督、一般社団法人チェスト連合 代表理事、テレビ番組「薩摩剣士隼人」や「ぐりぶー課長物語」等の原作、脚本、総監督。地方キャラクター、地域資源、特産品のプロデュース。「国民文化祭」をはじめとする各イベントの総合演出や、ご当地アイドルの育成、プロデュース、歌詞、楽曲提供。これまでの経験や活動を元にし、多岐にわたる内容で講演活動を各所で行っている。 現在は一般社団法人チェスト連合を立ち上げ、鹿児島のご当地キャラクターを繋ぎオール鹿児島で世界に発信するプロジェクトに挑んでいる。